県別の表面利回りマップでは西高東低の傾向を、推定年間売電収入ランキングでは茨城・福島・栃木が上位に来ることを紹介しました。では「収入が多い県=利回りも高い県」なのでしょうか。都道府県別の表面利回り(設備ごとの利回りの平均値)と収入順位を突き合わせると、両者はむしろ逆相関に近いという実数が見えてきます。
表面利回りトップ10・ワースト10(太陽光39万件、2026年6月時点)
太陽光設備の表面利回り(推定)を都道府県別に平均すると、上位・下位は次の通りです。
- 上位:東京都17.13%・福岡県17.11%・大阪府17.04%・沖縄県17.02%・神奈川県16.63%
- 下位:北海道14.14%・秋田県13.76%・青森県13.73%(下位2県は全国平均を2ポイント近く下回る)
全国47都道府県の単純平均は15.64%、全設備を1件ずつ均した加重平均は15.49%です。
収入トップ10県は、利回りでは下位16位以内が9県
推定年間売電収入で上位10県だった茨城・福島・栃木・千葉・三重・鹿児島・群馬・宮城・兵庫・北海道について、それぞれの表面利回り順位(全国47位中)を並べると——
- 茨城県(収入1位):利回り40位(14.66%)
- 福島県(収入2位):利回り43位(14.46%)
- 栃木県(収入3位):利回り35位(15.17%)
- 千葉県(収入4位):利回り33位(15.30%)
- 三重県(収入5位):利回り41位(14.63%)
- 鹿児島県(収入6位):利回り32位(15.32%)
- 群馬県(収入7位):利回り37位(15.16%)
- 宮城県(収入8位):利回り44位(14.44%)
- 兵庫県(収入9位):利回り21位(15.83%)
- 北海道(収入10位):利回り45位(14.14%)
兵庫県(21位)を除く9県すべてが利回り32位以下、つまり全国下位16位以内に収まっています。収入トップ10県と利回りトップ10県は、1県も重なりません。
なぜ「収入が多い=利回りが高い」にならないのか
理由は、収入を押し上げているのが1件あたりの効率ではなく件数・出力の厚みだからです。以前の回で見た通り、茨城県は件数29,602件で全国最多、北海道も8,159件・出力219万kWと規模で上位に来ています。一方、表面利回り上位の東京・大阪・沖縄・神奈川は件数自体が少なく(東京1,264件・神奈川2,105件など)、日射量や地価構造の違いから1件あたりの利回りは高くても、合計の収入規模では上位に届きません。つまり収入ランキングは「量」、利回りランキングは「率」を映しており、同じ都道府県データでも見る指標によって上位県がまったく入れ替わるということです。
この数字が示すこと・示さないこと
本集計は都道府県単位の平均値・合計値であり、同じ県の中でも個々の設備によって利回り・収入は大きく異なります。特定の設備・所有者・業者の状況を示すものではなく、匿名の集計値であることにご留意ください。また利回りの県差は日射量・地価など複数要因が絡み、本データだけで要因を完全に特定できるものではありません。
※本ページの件数・出力・利回り順位の数値は2026年6月時点の経済産業省 資源エネルギー庁「事業計画認定情報」の集計に基づく実数です。表面利回り・推定年間売電収入・査定額は公表データに基づく推定値であり、実際の取引価格・収益を保証するものではありません。将来の認定・失効・満了により数値は変動します。
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