県別の表面利回りマップや収入と利回りの逆転現象では、「収入の多さ」と「利回りの高さ」は別物だと紹介しました。では収入をあえて設備の大きさ(出力kW)で均すとどうなるか——「1kWを持っているだけで、年間いくらの収入になるか」という第三の物差しで都道府県を並べ替えると、また違う顔が見えてきます。
「1kWあたり年間収入」とは
都道府県別の推定年間売電収入を、その県の合計出力(kW)で割った値です。これは表面利回り(収入÷推定資産価値、投資効率の指標)とは分母が異なり、FIT認定単価の水準(古い年度ほど単価が高い)と日射量(発電効率)の掛け算で決まる、いわば「設備1kWが生み出す実額」を示します。全国の合計出力で均した加重平均は47,894円/kWです。
上位10県は九州・沖縄が6県を占める
- 1位 大分県 55,412円/kW(表面利回り16.30%・全国10位)
- 2位 宮崎県 55,352円/kW(15.24%・34位)
- 3位 長崎県 55,048円/kW(16.29%・11位)
- 4位 鹿児島県 53,161円/kW(15.32%・32位)
- 5位 熊本県 52,986円/kW(16.21%・12位)
- 6位 山梨県 52,603円/kW(16.34%・9位)
- 7位 高知県 52,499円/kW(15.72%・23位)
- 8位 栃木県 50,316円/kW(15.17%・35位)
- 9位 沖縄県 49,469円/kW(17.02%・4位)
- 10位 和歌山県 49,240円/kW(15.45%・30位)
上位10県のうち大分・宮崎・長崎・鹿児島・熊本・沖縄の6県が九州・沖縄地方です。1位の大分県は全国平均の1.16倍にあたります。表面利回りの順位(カッコ内)を見ると、9位の沖縄県以外は利回りランキングでは9〜35位に散らばっており、「1kWあたり収入が高い」ことと「利回りが高い」ことは別のランキングだと分かります。
利回り全国1位の東京都は、1kWあたり収入では下から2番目
最も対照的なのが東京都です。表面利回りは全国1位(17.13%)ですが、1kWあたり収入では47都道府県中46位(38,354円/kW、全国平均の0.80倍)にとどまります。逆に最下位47位の福井県(38,021円/kW)は、表面利回りでは6位(16.58%)と上位です。
理由は分母の違いにあります。東京都は設備件数1,264件・合計出力84,880kWと規模が小さいため、少ない出力でも利回り(収入÷資産価値)自体は高く出やすい一方、1kWあたりの実額収入は認定単価の水準と日射量で決まるため、都市部で規模が小さいことは有利に働きません。1位の大分県と最下位の福井県を比べると、1kWあたり収入には1.46倍の差があります。
この数字が示すこと・示さないこと
本集計は都道府県単位の平均値・合計値であり、同じ県の中でも個々の設備の認定年度・条件によって1kWあたり収入は大きく異なります。特定の設備・所有者・業者の状況を示すものではなく、匿名の集計値であることにご留意ください。またFIT認定単価は今後の残存年数の経過とともに変動し、本ランキングは今後の満了・失効により変わり得ます。
※本ページの件数・出力・収入順位の数値は2026年6月時点の経済産業省 資源エネルギー庁「事業計画認定情報」の集計に基づく実数です。表面利回り・推定年間売電収入・査定額は公表データに基づく推定値であり、実際の取引価格・収益を保証するものではありません。
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